猫又駅で降りられるのは9月30日まで。往復2時間の旅で、切符を取る前に決める3つ。
要点:黒部峡谷鉄道は2026年10月1日に宇奈月〜欅平の全線運行を再開します。うれしい話ですが、そのぶん9月30日で終わるものがあります。いま折返し駅として乗り降りできる猫又駅です。10月1日以降の乗降駅は宇奈月・黒薙・鐘釣・欅平の4駅で、猫又は入りません。宇奈月〜猫又の往復は大人2,820円、所要は約120分。日程を決める前に見るべき数字と、9月4日に入るダイヤの段差をまとめます。
まず、日付から。
黒部峡谷鉄道は7月3日に、全線運行の再開日を発表しました。2026年10月1日(木)、宇奈月発・欅平行きの始発便から、宇奈月駅〜欅平駅の全線が動きます。2024年の被災以降、途中で折り返していた運行がようやく奥までつながります。
同じ発表の後半に、短い一文が置かれています。10月1日以降の乗降駅は宇奈月駅・黒薙駅・鐘釣駅・欅平駅となり、猫又駅での乗降はできなくなる、と。
猫又は、ふだんは発電所やダムの工事に関わる人しか使わない駅です。折返し運行のあいだだけ、終点の役をやっていました。全線がつながれば列車は通過します。つまりいま一般の乗客が降りられるのは9月30日が最後。8月8日には猫又駅に撮影用のパネルが増えましたが、これも設置は9月30日まで、と公式が書いています。
線の形が、10月1日に変わります
ここからが本題です。切符を押さえる前に、決めておくことが3つあります。
1つめ。9月4日より前に行くか、後にするか
ダイヤに段差があります。8月31日までと9月1日〜3日は同じ形で、宇奈月発が8時17分から15時19分まで11便。ところが9月4日からは10便に減り、最終が14時56分発に繰り上がります。猫又からの最終も16時30分発から16時10分発へ。午後だけで動くつもりの人は、ここで30分ぶん余裕を失います。
| 期間 | 宇奈月発の便数 | 宇奈月発の最終 | 猫又発の最終 |
|---|---|---|---|
| 4月20日〜9月3日 | 11便 | 15:19 | 16:30 |
| 9月4日〜9月30日 | 10便 | 14:56 | 16:10 |
9月30日は水曜日です。土日で行くなら、9月26日・27日が最後の週末になります。
2つめ。どの便に乗るか(帰りの便も、これで決まります)
この路線、往復とも同じ客車に乗ると公式に案内されています。行きの便を選んだ時点で、帰りの便も決まる仕組みです。「猫又でゆっくりして次の列車で」は成立しません。
時刻表から滞在時間を引き算すると、猫又にいられるのは22分から25分。トイレ休憩を含めた往復の所要が約120分、という公式の書き方と合います。
| 宇奈月 発 | 猫又 着 | 猫又 発 | 宇奈月 着 | 猫又での時間 |
|---|---|---|---|---|
| 8:17 | 9:02 | 9:24 | 10:17 | 22分 |
| 9:00 | 9:44 | 10:09 | 10:59 | 25分 |
| 11:06 | 11:52 | 12:15 | 13:04 | 23分 |
※8月31日までのダイヤから3例。9月4日以降は時刻が変わります。
20分ちょっとで何ができるか。展望台と撮影パネル、それにトイレ。走り回る時間ではありません。逆に言えば、この旅は半日で終わります。午前に往復して、午後は宇奈月温泉街というのが素直な形です。
3つめ。オープン客車か、窓付きか
普通客車は壁のないオープン型。窓付きの「リラックス客車」を選ぶと、1回ごとに車両券600円が別に必要です。往復で使えば2回ぶん。峡谷は谷が深く、9月の朝は空気が冷えます。ただしオープン型でしか味わえないものもあるので、ここは好みで。
時刻表を見ると、便によって「普」(普通客車のみ)と「普・R」(連結)が分かれています。リラックス客車を狙うなら、そもそも連結のある便を選ぶ必要があります。
いくらかかるか
| 区間・項目 | 大人 | 子供 |
|---|---|---|
| 宇奈月⇔猫又(往復) | 2,820円 | 1,420円 |
| 宇奈月⇔黒薙(往復) | 1,660円 | 840円 |
| リラックス車両券(1回ごと) | 600円 | 600円 |
| 新黒部〜宇奈月温泉 往復割引きっぷ(富山地鉄) | 1,400円 | 700円 |
地鉄の往復割引きっぷは特急料金を含み、利用開始から5日間有効。ただし座席指定料金は別で、発売しているのは宇奈月温泉駅と新黒部駅の、案内係がいる時間帯だけです。買うつもりなら早めの列車で。
クルマの人は、宇奈月駅前の有料駐車場が乗用車で最初の6時間1,000円、24時間最大1,500円。普通車約350台。お盆と紅葉期の土日祝は駐車場までの道が混むと公式が注意しています。
どう行くか
電車なら、北陸新幹線で黒部宇奈月温泉駅へ。ここで富山地方鉄道に乗り換えて新黒部駅から宇奈月温泉駅、降りて徒歩5分でトロッコの宇奈月駅です。東京から約3時間、名古屋から約3時間10分、大阪から約3時間30分が公式の目安。
ひとつ注意。乗車手続きのため、発車の約20分前までに着いておくよう案内されています。徒歩5分を足すと、宇奈月温泉駅には25分前。ここを削ると当日いちばん焦ります。
予約は乗車日の3か月前から。9月1日〜11月30日ぶんは7月8日9時に受付が始まっています。宇奈月〜黒薙・鐘釣はインターネットと電話、宇奈月〜欅平(10月1日から)は電話のみ。それと、黒薙駅からの乗車は予約できません。黒薙で降りるつもりなら、宇奈月からの切符で組み立てることになります。
一日を並べてみます
9月中旬の平日、9時00分発に乗る形で。
宇奈月温泉駅に8時30分ごろ着。徒歩5分で宇奈月駅、8時40分までに手続き。9時00分発。黒薙9時24分、猫又9時44分着。パネルと展望台で25分。10時09分発、宇奈月10時59分着。ここでもう昼前です。午後は温泉街を歩くか、そのまま新黒部へ戻って別の予定に回せます。
遅い出発でもいけます。11時06分発なら猫又11時52分着、13時04分に宇奈月へ戻る。午前を移動に使って、往復して、夕方には富山市内、という組み方も可能です。
車内にトイレはありません。禁煙、ペットの持ち込みも不可。往復乗車券は乗車日から2日間有効です。
10月からの峡谷も、まだ全部ではありません
10月1日で奥までつながりますが、欅平は当面、駅舎とビジターセンター以外に進めません。下流部の法面と擁壁の復旧工事が続いていて、観光エリアに立入禁止区域が置かれるためです。混雑を避けるため、欅平行きの乗降受付数も限定されると公式が書いています。
だから「10月まで待とう」は、必ずしも正解になりません。10月1日以降の片道運賃は宇奈月〜鐘釣が大人1,780円、宇奈月〜欅平が2,480円。行き先は増えますが、着いてから歩ける範囲は狭い。9月中に猫又を見て、紅葉のころに鐘釣まで、と二度に分ける手もあります。
猫又で降りられる週末は、あと7つです。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.08.12
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