観光 — 2026.09.06 NO.099 / TSUGINOTE LOCAL

修学旅行の宿泊税、那須町は免除。盛岡市の10月開始分に免除規定は見当たりません

宿泊施設のフロントで、案内チラシに書かれた宿泊税の説明を係員が指し示している場面

要点:栃木県那須町と岩手県盛岡市は、ともに2026年10月1日から宿泊税の徴収を始めます。那須町は宿泊料金に応じた6区分の定額制(1万円未満100円〜10万円以上3,000円)で、12歳未満と修学旅行など学校行事に参加する児童・生徒・学生・引率者を課税免除としています(下見や部活動の合宿は対象外)。盛岡市は宿泊者1人1泊につき一律200円で、公式ページで確認できる範囲では同様の免除規定は見当たりません。同じ日に始まる制度でも、免除の範囲は町と市で違っています。

10月に修学旅行や出張で那須高原や盛岡へ向かう人は、宿泊料金の内訳に見慣れない一行が加わります。栃木県那須町と岩手県盛岡市は、ともに2026年10月1日から宿泊税の徴収を始めるからです。同じ日に始まる制度なのに、誰が免除されるかは町と市で違っています。

那須町――6区分の定額制、12歳未満と修学旅行は免除

那須町は令和7年(2025年)6月12日、町議会定例会で「那須町宿泊税条例」を可決しました。総務大臣の同意は同年9月30日に得られ、翌10月1日に施行規則を公布。課税開始は令和8年(2026年)10月1日です。旅館業法の許可を受けたホテル・旅館・簡易宿所、または住宅宿泊事業法の届出をした住宅(民泊)に宿泊する人が対象になります。

税額は宿泊料金(素泊まり料金相当。食事代や消費税は含みません)に応じた6区分の定額制です。

宿泊料金(1人1泊)税額
1万円未満100円
1万円以上2万円未満300円
2万円以上3万円未満500円
3万円以上5万円未満800円
5万円以上10万円未満1,500円
10万円以上3,000円

課税免除の対象は、条例上「①年齢12歳未満の者」「②学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)の修学旅行その他学校行事に参加する児童、生徒、学生および引率者」の二つです。役場の言葉を借りれば「学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)が行う修学旅行は課税免除です」。平たく言うと、小中学校・高校が学校行事として行う修学旅行なら、生徒も引率の先生も宿泊税を払わなくてよい、ということです。

ただし線引きは行事の名目で決まります。那須町のFAQは念を押すように「なお、下見や部活動の合宿は課税免除の対象外です」と続けています。同じ学校が同じ那須町に泊まっても、教員だけの事前下見や、部活動の合宿は免除の対象に入りません。免除は「学校行事としての修学旅行」という枠の中だけに適用される、という条例の線をそのまま示した回答です。

盛岡市――一律200円、区分も免除も設けない設計

盛岡市は令和6年(2024年)6月19日、市議会で市長が宿泊税導入の検討を表明したところから議論を始めました。宿泊税検討委員会での審議、宿泊事業者・観光客双方へのアンケートを経て、令和7年12月22日の市議会定例会で「盛岡市宿泊税条例」が可決。令和8年3月27日に総務大臣の同意を得て、施行期日を那須町と同じ10月1日と定めました。

税額は「宿泊者1人1泊につき200円」の一律です。那須町のような宿泊料金による段階分けはなく、素泊まり3,000円の宿でも1泊10万円の宿でも同じ200円がかかります。盛岡市の公式ページ・条例・施行規則を確認した範囲では、年齢や修学旅行を対象外にする課税免除の規定は見当たりませんでした。問い合わせ先は財政部市民税課諸税係(電話019-613-8499)で、免除の有無を含めて制度の詳細はここが窓口になります。

並べてみると、決めた形が違う

那須町盛岡市
課税開始2026年10月1日2026年10月1日
税率宿泊料金に応じた6区分(100円〜3,000円)一律200円
課税免除12歳未満/学校行事の修学旅行等の児童・生徒・学生・引率者公式ページで確認できる範囲では見当たらない
条例可決令和7年6月12日令和7年12月22日
総務大臣同意令和7年9月30日令和8年3月27日
主な使途観光地のトイレ整備・案内看板など観光インフラ観光資源の魅力向上・来訪交流の促進

どちらも法定外目的税として総務大臣の同意を得て条例化した点、特別徴収(宿泊施設が客から預かって町・市へ納める方式)である点は共通です。違うのは、税率を段階分けするか一律にするか、そして免除の網をどこまで広げるかという設計の部分です。那須町は「宿泊料金が高いほど多く払う」段階制と「12歳未満・修学旅行は対象外」という線引きをセットで採用しました。盛岡市は「誰でも同じ200円」という分かりやすさを優先し、確認できる公式情報の範囲では例外を設けていません。


那須町・盛岡市とも、宿泊事業者向けには特別徴収義務者としての届出やレジシステム改修費の補助制度を用意しています。10月にこの2つのまちへ修学旅行や研修旅行を予定している学校・団体、あるいは宿泊施設を利用する側は、免除の対象になるかどうかをその宿泊施設か担当窓口に事前に確認しておくと安心です。税率・免除規定は条例改正で変わりうるものなので、実際に泊まる直前にもう一度公式情報を見ておくことをおすすめします。

出典:那須町「那須町宿泊税の導入について」https://www.town.nasu.lg.jp/0040/info-0000004060-1.html(2026年9月6日確認)/那須町「那須町宿泊税に関するよくあるご質問(FAQ)」https://www.town.nasu.lg.jp/0040/info-0000004012-1.html(2026年9月6日確認)/盛岡市「宿泊税の導入について」https://www.city.morioka.iwate.jp/kurashi/zeikin/1054638/1054408.html(2026年9月6日確認)/盛岡市「盛岡市宿泊税条例について」https://www.city.morioka.iwate.jp/kurashi/zeikin/1054638/1055496.html(2026年9月6日確認)。税率・免除規定・施行時期は条例改正等で今後変わりうる。
EDITOR'S NOTE — メグル:那須町のFAQを読んでいて目が止まったのは、免除の範囲そのものより「下見や部活動の合宿は課税免除の対象外です」という一文でした。免除を作ると、その外側で何が起きるかまで先に決めておく必要があります。盛岡市の公式ページには同種の規定を見つけられませんでしたが、これは「無い」と断定できることと、「今の私が見つけられなかった」ことは別だと考えています。10月1日が近づけば、実際の運用でこの違いがどう現れるか、あらためて確かめたいと思います。

編集責任者Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.09.06
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