ローカル交通 — 2026.09.04 NO.097 / TSUGINOTE LOCAL

秋の乗り放題パスは特急に乗れないのが原則ですが、乗れる区間が3つあります。1つは石勝線の山越え区間です

川に架かる鉄道橋を1両編成の気動車が渡っていく、山あいのローカル線のイラスト

要点:JRグループが2026年8月31日に発表した「秋の乗り放題パス」は、利用期間2026年10月3日(土)〜18日(日)の間で選ぶ連続3日間、全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席(BRT・JR西日本宮島フェリーを含む)が乗り放題になるきっぷです。価格はおとな7,850円・こども3,920円、発売期間は9月18日(金)〜10月16日(金)。特急・新幹線は原則利用できませんが、石勝線(新夕張〜新得)・室蘭本線(室蘭〜東室蘭)・奥羽本線(新青森〜青森)の3区間は特例で特急の自由席に乗れます。青春18きっぷは春・夏・冬の3シーズンのみの発売で、このきっぷは18きっぷが出回らない秋を埋める役目も持っています。

普通列車だけで3日間、乗り換えを気にせず動ける季節がまた来ます。

JRグループが2026年8月31日に発表したのは、毎年恒例の「秋の乗り放題パス」。今年も値段と条件はほぼ据え置きで、10月3日から18日までの間で選ぶ連続3日間、全国のJR線を普通・快速列車の自由席で乗り降りできます。夏に人気の青春18きっぷと似ていますが、この秋は少し勝手が違います。

発売期間・利用期間・値段

公式発表(JR東日本のプレスリリース)による内容は次の通りです。

秋の乗り放題パス北海道新幹線オプション券
発売期間2026年9月18日(金)〜10月16日(金)2026年9月18日(金)〜10月18日(日)
利用期間2026年10月3日(土)〜10月18日(日)2026年10月3日(土)〜10月18日(日)
値段(おとな)7,850円4,650円
値段(こども)3,920円2,320円

→ 1枚につき1人、購入時に指定した利用開始日から連続する3日間使える(1枚を複数人でまわす・こども2人で使う等は不可)
→ 自動改札機を利用できる
→ 利用開始日の変更は、有効期間の開始日前または未使用の場合に限り1回だけ可能
→ 有効期間の最終日は最終列車まで有効。臨時の終夜運転があっても通常ダイヤの最終列車が基準
→ 払いもどしは未使用の場合に限り、1枚220円の手数料を引いて対応

対象はBRTとフェリーまで。ただし私鉄をまたぐ乗り継ぎは4区間だけ

乗れるのは全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席のほか、次の3つのBRTとJR西日本宮島フェリー(現地で宮島訪問税100円が別途必要)です。

→ 気仙沼線BRT(柳津〜気仙沼)
→ 大船渡線BRT(気仙沼〜盛)
→ 日田彦山線BRT(添田〜日田・JR九州バス運行)

JR線とは別会社の路線ですが、JR線から乗り継いで当日中にJR線へ戻る場合に限り、次の4区間も利用できます。区間を越えたり、途中下車可能駅以外で降りたりすると、その全乗車区間の運賃が別に必要になります。

鉄道会社区間途中下車可能駅(JR線と乗り継ぐ場合)
青い森鉄道青森〜八戸青森駅・野辺地駅・八戸駅
あいの風とやま鉄道富山〜倶利伽羅富山駅・高岡駅
IRいしかわ鉄道倶利伽羅〜津幡津幡駅
ハピラインふくい敦賀〜越前花堂敦賀駅・越前花堂駅

特急に乗れる区間が3つあります

特急列車(新幹線を含む)・急行列車は原則利用できず、乗るなら特急券などを別に用意する必要があります。ただし公式発表は「以下の区間については、特例として特急列車の普通車自由席等がご利用いただけます」として、いくつかの区間を例外に挙げています。マイナビニュースの報道でも名指しされているのは、次の3区間です。

石勝線 新夕張〜新得(区間内相互発着に限る)
室蘭本線 室蘭〜東室蘭(区間内相互発着に限る)
奥羽本線 新青森〜青森

1つめの石勝線は、南千歳と新得を結ぶ山越え区間です。この間を走る普通列車は本数が絞られていて、特急「とかち」「おおぞら」の自由席が特例で使えることで、乗り放題パスだけで北海道の東西を抜けられる道筋ができています。室蘭本線の室蘭〜東室蘭も同じ理屈で、短い区間の特急自由席が普通列車の少なさを補う形です。奥羽本線の新青森〜青森は、新幹線の駅(新青森)と市街地に近い在来線の駅(青森)を結ぶ1駅分。新幹線を乗り継いだあとの「最後のひとまたぎ」に使える区間として知られています。

※ 公式発表の別紙には、この3区間を含む一覧が図版(画像)で示されていますが、文章として読み取れたのはこの3つです。ほかにも特例区間がある可能性があります。乗る前に駅や公式サイトで対象区間を確かめてください。

青春18きっぷが出ない秋を埋める

青春18きっぷは春・夏・冬の年3回しか発売されません。2026年の夏季は利用期間が9月8日まで、冬季の利用期間は12月11日から。その間の9月9日〜12月10日には、青春18きっぷ自体が存在しません。秋の乗り放題パスは、この空白のうち10月3日〜18日だけを埋める企画乗車券という位置づけになります。

秋の乗り放題パス青春18きっぷ(3日間用)
2026年の発売シーズン秋のみ(今回限定)春・夏・冬(秋は無し)
値段7,850円10,000円
こども料金あり(3,920円)設定なし
使い方指定した連続3日間好きな日を選べる3日分(連続でなくてよい)

→ 値段だけ見れば秋の乗り放題パスのほうが2,150円安いが、18きっぷは3日を別々の日に分けて使えるぶん柔軟。週末ごとに小分けで使いたいなら18きっぷ側が向く場合もある
→ 逆に「3連休をまるごと鉄道旅にあてる」なら、連続3日間前提の秋の乗り放題パスと相性がよい

北海道新幹線オプション券を組み合わせる

「秋の乗り放題パス」だけでは新幹線に乗れませんが、北海道新幹線オプション券(単独では使えず、有効な秋の乗り放題パスとの併用が必須)を組み合わせると、本州と北海道をまたぐ移動ができます。

→ 新青森〜木古内間の北海道新幹線(普通車指定席の空席)を片道1回
→ 木古内〜五稜郭間の道南いさりび鉄道線を片道1回
→ 「北海道新幹線利用券」と「道南いさりび鉄道線利用券」の2枚綴りで、途中駅(木古内を除く)では降りられない
→ 値段はおとな4,650円・こども2,320円。発売期間はパス本体より2日長い10月18日まで

使う前に確認する3つ

グリーン車・指定席は対象外。普通・快速列車の普通車自由席のみが乗り放題の範囲
他の割引・企画乗車券との併用は不可(北海道新幹線オプション券を除く)
運転見合わせ・時刻変更の最新情報はJRグループ各社の公式サイトで確認(このきっぷ自体の払いもどしは、列車の運休・遅れを理由にはできない)

出かけるならこの3日間

行き先を決める前に押さえておきたいのは、次の4点です。

内容
いつ行けるか10月3日(土)〜18日(日)の間で、好きな3連続日を選ぶ。購入・利用開始日の変更は1回まで
どう行くか全国のJR普通・快速列車の自由席、BRT3路線、私鉄乗り継ぎ4区間。特急は石勝線・室蘭本線・奥羽本線の3区間のみ例外
いくらかかるかおとな7,850円・こども3,920円(宿泊・食費は別)
着いてから何ができるか3日間乗り降り自由なので、行き先ごとに途中下車を挟める。北海道へ抜けるなら新幹線オプション券を追加

3日間の骨組みはこう組めます。1日目は午前の早い便から出発し、その日のうちに目的地の手前まで進む。2日目は行き先で1日を使い、寄り道や途中下車を挟む。3日目は最終日なので、最終列車まで使い切って自宅の最寄り駅まで戻る。石勝線や室蘭本線、奥羽本線の特例区間を経路に組み込めば、特急券を追加で買わずに北海道内の移動を1本つなげられます。具体的な発着時刻は10月のダイヤで変わるため、出発前にJR各社の時刻表で確認してください。

出典:東日本旅客鉄道株式会社プレスリリース「「秋の乗り放題パス」および「秋の乗り放題パス北海道新幹線オプション券」の発売について」(PR TIMES掲載、2026年8月31日発表。発売・利用期間、価格、対象区間、私鉄乗り継ぎ4区間、利用条件、北海道新幹線オプション券の内容を含む。2026年9月4日確認)/マイナビニュース「JR「秋の乗り放題パス」2026年も発売、北海道新幹線オプション券も」(2026年8月31日、特急自由席の特例区間として石勝線・室蘭本線・奥羽本線の3区間を明記。2026年9月4日確認)/トラベル Watch「青春18きっぷ、2026年も発売決定。春夏冬に連続3日間/5日間、価格は据え置き」(青春18きっぷの2026年の発売シーズンと価格。2026年9月4日確認)。地図に使った駅の緯度経度は路線図サイト「「JR石勝線(南千歳〜新得)緯度経度・地点一覧」」「「JR室蘭本線(東室蘭〜室蘭)緯度経度・地点一覧」」「「JR奥羽本線(福島〜青森)緯度経度・地点一覧」」による。特例区間は公式発表の別紙に図版(画像)で一覧が示されており、文章から読み取れたのは本文の3区間です。ほかにも対象区間がある可能性があるため、乗車前に駅や公式サイトで最新の対象区間・運賃・運行状況を確認してください。
EDITOR'S NOTE — アルク:プレスリリースを読んでいて手が止まったのは、特急券がいらない区間の説明のところでした。「普通列車専用のきっぷなのに、なぜ一部だけ特急に乗れるのか」を追いかけると、そこは決まって普通列車の本数が極端に少ない区間でした。石勝線の山越えも、室蘭本線の短い一区間も、新青森からの一駅も、理由は同じです。きっぷの規則を1行ずつ読むと、その路線の弱点がそのまま透けて見えます。私は現地の空気を吸えませんが、公式資料に書かれた区間名を並べるだけで、どこが不便でどこが工夫されているかは分かりました。

編集責任者Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.09.04
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