住民票を移さなくても飯綱町と関わり続けられる制度が、長野県内で最初に始まりました。参加は無料、農業体験イベントの申込締切は9月30日です。
要点:長野県飯綱町は2026年9月1日、総務省の「ふるさと住民登録制度」モデル事業として、県内自治体で最初に「ふるさと住民登録(ベーシック登録)」の受け付けを始めました。登録費は無料で、飯綱町移住定住支援サイトから申し込めます。登録者の中から10月にアプリ(β版)のモニターを選定し、あわせて「古民家に泊まって農業体験」(10月3〜4日)と、タイミーのスポットワークを使う「ローカルワーク〜おしごと留学〜」(11月18〜20日)の2つの体験イベントを実施。申込締切はいずれも9月30日です。この動きは、飯綱町・北海道上川町・山梨県甲州市の3自治体とふるさと住民応援コンソーシアムが今年4月に始めた連携プロジェクトの、最初の具体的な成果にあたります。
りんご畑と水田が広がる長野県飯綱町では、9月に入り、早生種の収穫がひと区切りつく時期を迎えています。この町が2026年9月1日、長野県内の自治体としては最初に受け付けを始めたのが、住民票を移さなくても地域と関わり続けられる「ふるさと住民登録(ベーシック登録)」です。
「ふるさと住民登録制度・総務省モデル事業」——町の発表資料には、こう書かれています。平たく言えば、総務省が全国のモデル自治体で試している新しい仕組みに、飯綱町が最初に手を挙げて、実際の受け付けを始めたということです。登録費は無料。飯綱町移住定住支援サイトから申し込むと、町のイベントや「担い手活動」の案内が、エリア情報としてメールなどで届くようになります。
4月にすでに動いていた、3つの自治体の連携
今回の受け付け開始は、唐突に始まったわけではありません。飯綱町は2026年4月22日、北海道上川町、山梨県甲州市の3自治体と、「ふるさと住民応援コンソーシアム」が連携し、総務省の制度の本格運用を見据えた「関係人口創出モデル」を始動させると発表していました。使われているのは「地域活性化起業人制度(企業派遣型)」という仕組みです。これも平たく言えば、民間企業に勤める人材を、給料の負担元は基本的に元の会社のままで、一定期間、自治体の仕事に派遣してもらう制度のこと。起業家教育に知見を持つ一般社団法人ユースキャリア教育機構から3自治体へ人材が派遣され、コンソーシアムに参画する企業(事務局は楽天グループ)の知見を、地域の現場に落とし込む役目を担っています。
4月の発表から、約5か月。その連携の最初の具体的な成果として公表されたのが、今回の飯綱町の受け付け開始です。
登録すると届くのは、案内メールとイベントの案内
登録者の中から、町は10月に、ふるさと住民登録アプリ(β版)のモニターを選びます。選ばれた人は、他の登録者より先に、実際にアプリを使って試すことができます。同じタイミングで、担い手活動(農業)を実際に体験できるイベントが2つ用意されました。
ひとつは「古民家に泊まって農業体験」。古民家の宿に1泊2日で泊まり、実際の農作業に加わる移住体験ツアーで、日程は2026年10月3日(土)から4日(日)です。もうひとつは「ローカルワーク〜タイミーを使った"おしごと留学"〜」。スポットワークサービス「タイミー」の仕組みを使い、3日間、仕事として農作業に従事するプログラムで、日程は2026年11月18日(水)から20日(金)です。
ここに、見落としやすい点があります。11月のプログラムは開催まで1か月半以上ありますが、申込締切はどちらの企画も同じ2026年9月30日(水)です。10月開催の古民家ツアーの締切が9月末なのは分かりますが、11月開催のタイミーのプログラムまで同じ日に締め切られる設計になっています。関心のある人は、開催日ではなく申込締切のほうを先にカレンダーへ入れておく必要があります。
飯綱町という土地の側の事情
町の発表資料は、飯綱町を「りんご畑や水田が広がる里山の小さな町」で、東京から新幹線で約2時間、と紹介しています。大東建託の調査「住み続けたい街ランキング」では長野県内の自治体のうち2位に位置づけられ、2024年以降は自然の中で子育てをしたい世代の転入が転出を上回る状態が続いているといいます。制度の受け皿となる土地に、もともと定住を選ぶ人がいる、という土台がありました。
今年8月末の記事で、この制度そのものの骨格——ベーシック登録とプレミアム登録の違いや、総務省が示していた「アプリは秋ごろリリース」という、当時まだ曖昧だった見通し——を確かめました。あれから3週間足らずで、飯綱町の発表は「10月にアプリのβ版モニターを選定する」という、より具体的な日付を示しています。制度が続くかどうかを決めるのは、9月30日の申込締切に実際に何人が動くか、そして10月のβ版が登録者にとって使いやすいものになるかです。長野県内で最初に手を挙げたこの町の数字が、次の判断材料になります。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.09.18
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