移住・関係人口 — 2026.09.25 NO.121 / TSUGINOTE LOCAL

佐渡島の移住体験住宅、ペットと泊まれるのは9棟中5棟だけです。

移住を検討している人が、古い町並みを歩きながら地元の人にタブレットで案内を受けている様子

要点:佐渡市の移住体験制度「さど暮らし体験住宅」は、1か月〜6か月(集落連携型は24か月)家具・家電付きの住宅を安価で借り、佐渡での暮らしを試せる制度です。市の公式サイト(2026年8月27日更新)によると、現在9棟あるうち、犬や猫を連れて泊まれるのは「かわもB」「はたのB」「かたがみ」「まつがさき」「きょうまち」の5棟だけ。小型犬または猫に限り頭数は原則2匹まで、清掃費用は実費です。車を持たない人は利用を断られる場合があり、住民票をこの住宅に移すこともできません。貸付料は2026年4月から改定済みです。

佐渡島へ移住しようか迷っている人の多くが、家族同然のペットをどう連れていくかで立ち止まります。佐渡市はこの春、移住のお試しに使える「さど暮らし体験住宅」の貸付料を見直しました。現在9棟あるこの体験住宅のうち、犬や猫を連れて泊まれるのは5棟だけです。

1か月から最長6か月(集落連携型は24か月)、家具・家電付きの住宅を安く借りられる制度で、佐渡市の公式サイトは2026年8月27日に最新の内容へ更新されています。ペット可の住宅がどこまで自由で、どこに線が引かれているのか。公式の案内文をそのまま引きながら確かめました。

「小型犬または猫に限ります」の中身

佐渡市の公式サイトには、こう書かれています。「ペットの飼養可能な物件も5棟整備しました。※小型犬または猫に限ります。※頭数は原則2匹までとなりますので、事前にご相談ください。※清掃費用は、業者見積のうえ実費にて別途徴収いたします。」平たく言えば、対象になるのは小型犬か猫だけで、大型犬は含まれません。2匹目以降は個別の相談が要り、退去時の清掃費は住宅の状態しだいで追加請求される、ということです。

実際にペット飼養が可能なのは「かわもB」「はたのB」「かたがみ」「まつがさき」「きょうまち」の5棟(市の公式サイトの各住宅ページ、および佐渡UIターンインフォメーションセンターが2024年10月に公開した記事で確認)。このうち「かたがみ」「まつがさき」「きょうまち」は地元集落と連携する「集落連携型」で、お祭りや草刈りなど地域行事への参加が前提になるぶん、最大24か月まで借りられます。

ペット可でも当てはまる、もう一つの条件

公式サイトの注意事項には、こうもあります。「自家用車がないと不便です。車をお持ちでない方は利用をお断りする場合があります。」ペットと一緒に泊まれても、車を持たずに佐渡へ渡って生活を試したい人には、そもそも狭き門だということです。「体験住宅へは原則、住民票を移すことはできません。」とも明記されており、この制度はあくまで住む場所を探す拠点であって、仮の住民票を置く先ではありません。

対象者も限られます。公式サイトは「佐渡市外にお住まいの方で、移住を検討している方とその家族(Iターン者に限ります)」としており、佐渡UIターンインフォメーションセンターの説明によれば、佐渡出身の人や市内に親族名義の住宅がある人は対象外です。集落連携型の3棟に入居する場合は、地元集落とのオンライン面談を経てから利用の可否が決まります。


実際に定住へつながっているか

佐渡UIターンインフォメーションセンターが2024年10月に公開したインタビューで、佐渡市移住交流推進課の遠藤武志さんは、前年度(2023年度)の利用実績について次のように説明しています。体験住宅を利用した10組17人のうち、5組7人がそのまま佐渡に残った。体験した住宅と同じエリアに定住したのは1組2人で、残る4組5人は隣のエリアを選んだといいます。母数は多くありませんが、17人中7人という数字は、お試し制度としては悪くない結果です。

同じインタビューでは、利用期間中に「準住民カード」が発行され、船の運賃が島民と同じ割引運賃になることも紹介されています。また、中心地に近い「はたの」やペット飼養可能な住宅は空きが少なく、比較的空きが出やすいのは「はもち」だと説明されていました。ペット可の枠は、もともと数が絞られているぶん、埋まりやすい構造になっているようです。

貸付料は今年4月から変わっている

貸付料は「制度改正に伴い、令和8年度より利用料金を改定」され、2026年4月1日以降の利用分から新しい金額が適用されています。ペット可の5棟でみると、月額は「かわもB」が22,000円(若者世帯)〜33,000円、「はたのB」「きょうまち」が33,000円〜50,000円、「かたがみ」「まつがさき」が40,000円〜55,000円です。若者世帯とは、満40歳未満、夫婦なら合計80歳未満、中学生以下の子がいるひとり親世帯、18歳未満の子を3人以上養育する多子世帯のいずれかに該当する場合を指します。料金には水道光熱費やインターネット利用料も含まれ、利用開始前に一括前払いが必要です。

ペットと暮らせる住宅は5棟あるものの、狭き門であることに変わりはありません。空きが少ないという現場の声、車を持たない人を断る場合があるという注意書き、そして住民票を移せないという原則。どれも「お試し」の名の通り、本移住とは別物として設計されていることを示しています。それでも17人中7人が定住につながったという実績は、続けてきた制度が一定の役割を果たしていることの裏づけでもあります。ペットを理由に移住をあきらめる前に、まずは空き状況と、車を持っているかどうかを確かめておいたほうがよさそうです。

出典:佐渡市「定住体験住宅」https://www.city.sado.niigata.jp/site/ijyu/27725.html(2026年8月27日更新、2026年9月25日確認)/佐渡UIターンインフォメーションセンター「ぶっちゃけ『さど暮らし体験住宅』どんな制度?」https://sadouiturn.com/column/post-21967/(2024年10月30日公開、2026年9月25日確認・利用実績は2023年度分のインタビュー時点の数値)。制度・対象棟・料金は今後変更されうる。申し込み前に必ず公式サイトで最新の空き状況を確認を。
EDITOR'S NOTE — メグル:いちばん迷ったのは、2024年のインタビューにある「10組17人」という実績数字をどう扱うかでした。制度そのものは今も続いていて公式サイトも今年8月に更新されているものの、この数字だけは2年前の一時点のもの。だから本文でも年度をはっきり書き、今の数字だと誤解されないようにしました。制度は生きていても、数字には賞味期限があります。

編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.09.25
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