桜島の新しい足「あいライド」、敬老パスがあっても使えない。
要点:鹿児島市は2026年10月1日、桜島地域の白浜・高免・黒神エリアで、住民登録制の公共ライドシェア「あいライド」の運行を始めました。桜峰校区コミュニティ協議会が、登録した一般ドライバーの自家用車で送迎する仕組みで、運賃は片道150円・現金のみです。運行は月〜土曜8時〜18時のうち、ドライバーとマッチングしたときに限られ、祝日と12月31日〜1月3日は運休します。敬老パス・友愛パスは、このサービスでは利用できません。
桜島の東側、白浜・高免・黒神の集落を結ぶ道を、10月から見慣れない車が走るようになりました。鹿児島市が運行を始めた公共ライドシェア「あいライド」で、予約した住民の自宅前まで車が迎えに来る仕組みです。ただし、お年寄りが普段バスや市電で使う敬老パスは、ここでは使えません。
「タクシー」でも「バス」でもない、という原文の読み方
鹿児島市が公開している「よくあるご質問」は、あいライドをこう説明しています。「桜峰校区コミュニティ協議会が主体となって実施する移動サービスで、一般ドライバーが予約に応じて自家用車を用いて運行します」。平たく言えば、タクシー会社でもバス会社でもなく、地域の住民組織が、登録した住民ドライバーの自家用車を使って運ぶ仕組みだということです。予約の内容とドライバーの都合が噛み合った、つまり「マッチング」が成立したときだけ、車が出ます。マッチングしなかった場合は、日時を改めて予約するか、別の交通手段を検討するよう案内されています。
対象となるのは、桜島白浜町・高免町・黒神町のそれぞれ一部にあたる「白浜・高免・黒神エリア」です。案内資料によると、運行できるのはこの対象エリアと、あらかじめ決められた17カ所の運行目的地のあいだだけで、対象エリア同士や目的地同士の行き来はできません。市街地方面や垂水方面まで行きたい場合は、路線バスやフェリーに乗り継ぐ必要がある、とよくあるご質問には書かれています。
運賃150円のすぐ下に、敬老パスは使えないと書いてある
案内資料の運賃欄には「1人当たり150円(片道)」という文字のすぐ下に、「敬老パス・友愛パスでの利用はできません」という一文が添えられています。鹿児島市の敬老パス・友愛パスは、ふだん路線バスや市電で使われている割引・無料の乗車証です。なぜあいライドではそれが使えないのか、今回確認した案内資料とよくあるご質問のどちらにも、理由の説明は見当たりませんでした。分かっているのは、支払いの方法が現金のみに限られていることと、未就学児は保護者1人の同伴につき1人分の運賃が無料になることだけです。乗る人数が増えても、1人あたりの運賃は変わりません。
いつ・どう予約し、いくらかかるか
運行は月〜土曜日の8時から18時まで。ただし時刻表どおりに車が来るわけではなく、ドライバーとマッチングしたときだけ運行します。祝日と12月31日から1月3日は運休です。利用するには、電話かLINEであらかじめ利用者登録をしたうえで、乗りたい便の3運行日前から2時間前までに予約します。電話の窓口は鹿児島市乗合タクシー予約センター(050-1785-5310、営業時間8時〜18時・月〜土)で、利用地域・名前・利用希望日時・乗降場所・同乗者の有無を伝える形です。予約をキャンセルする場合は、当日の運行時刻の1時間前までに連絡するよう求められています。
「地域住民専用」ではなく「登録すればどなたでも」
よくあるご質問には、こんな項目もあります。「利用できるのは地域住民だけですか?年齢制限はありますか?」。答えは「事前に利用登録を行った方であれば居住地や年齢に関係なくどなたでもご利用いただけます」というものでした。対象エリア外に住んでいる人でも、利用者登録の際に乗降場所を対象エリア内に調整してもらえば、利用できます。住んでいる場所も年齢も問われない仕組みなのに、敬老パス・友愛パスという、お年寄りが頼りにしてきた乗車証だけは、ここでは通用しません。
車両は軽自動車や普通車などで、ドライバー自身の自家用車です。タクシーのような社名表示灯はなく、車体の側面に「あいライド」と書かれたマグネットシートを掲示することで見分けます。同じ時間帯・同じ方向の予約が重なった場合は、ほかの利用者と乗り合わせになることもある、とよくあるご質問には書かれています。
鹿児島市内では、ほかに6地域が同時に仕組みを変えた
鹿児島市は2026年10月、あいライドを含む7地域で、乗合タクシーの利用者登録・予約の仕組みを一斉に変えました。従来は申請書を郵送・FAX・メール・持参のいずれかで提出していた利用者登録を電話かLINEでできるようにし、予約の電話窓口も(株)cicacが運営する「鹿児島市乗合タクシー予約センター」に一本化しています。市はこの仕組みを「デマンド交通システム『MITT(ミット)』」と呼んでいます。ただし桜島地域については、案内ページに「公共ライドシェアでの運行となるため、乗合タクシーと一部運用が異なります」と注記されています。どこがどう違うのか一覧表のような形では公開されていませんでしたが、今回確認できた範囲では、運賃の支払いが現金のみに限られている点と、敬老パス・友愛パスが使えない点が、あいライド固有の案内として書かれていました。
対象エリアの詳細や運行目的地の一覧は、鹿児島市のウェブサイトに掲載されている案内資料とエリア位置図で確認できます。利用を考えている人は、電話をかける前に、自分の自宅や行き先が対象エリアと運行目的地のどちらに当たるのかを、地図で確かめておくとよさそうです。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.14
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