棒受網。
棒受網(ぼうけあみ)とは、サンマが光に集まる習性を利用して集魚灯で船べりに誘導し、水中に張った網ですくい上げる漁法です。日本のサンマ漁獲量の95%以上は、大臣許可漁業である北太平洋さんま漁業のもとで、この漁法によって漁獲されています。
日本のサンマ棒受網漁業は1950年代に急速に発展し、漁獲量が急増しました。1970年代は変動の大きい時期がありましたが、1980年代後半以降はおおむね20万トンから30万トンの範囲で比較的安定して推移します。減少に転じたのは2010年以降で、2022年の漁獲量1.8万トンは、棒受網漁業が普及した1960年代以降でもっとも低い値でした。2025年は6.5万トンまで戻り、この年は全漁業国・地域の中で日本の漁獲量が最多(39%)となっています。
漁期と漁場
漁期は8月から12月。漁場は8月に千島列島から道東海域で形成された後、日本列島東岸を南に移動し、10月には三陸海域、11月中旬から12月には常磐海域まで達します。サンマは親潮という冷水の南への張り出しに沿って南下するため、親潮が道東沿岸に発達する年は漁場が沿岸に、沖合を中心に発達する年は漁場が沖合に形成され、排他的経済水域の外の公海まで広がることもあります。2010年以降は再び沖合の親潮に沿って漁場が形成されるようになりました。
資源管理と、獲る側の制約
北太平洋のサンマは高度回遊性魚類として北太平洋漁業委員会(NPFC)の資源管理の対象になっています。公海の漁獲可能量(TAC)は2019年の合意時点で33万トンでしたが、その後の年次会合で繰り返し削減され、2026年の公海TACは11.54万トンと定められました。2025年時点で日本のほか、ロシア、台湾、韓国、中国、バヌアツがサンマを漁獲しており、このうち台湾・中国・韓国・バヌアツは公海のみで操業しています。
補足:数値は水産研究・教育機構「2026年度 サンマ長期漁海況予報」(2026年7月28日公表、7月29日資料差し替え)の補足資料にもとづく。漁獲量・TAC・操業国は年によって変わる。関連語:プライドフィッシュ、利き鮎。