利き鮎。
利き鮎(ききあゆ)とは、鮎の塩焼きを獲れた河川の名前を伏せた状態で食べ比べ、評価する方式のことです。高知県友釣連盟が主催する「清流めぐり利き鮎会」の名の由来で、名前を伏せて中身だけで判断する点が、日本酒の利き酒や茶の利き茶と同じ考え方にあたります。
「清流めぐり利き鮎会」は、全国各地の清流が育んだ鮎の塩焼きを、味・見た目・香りなどの基準で食べ比べ、グランプリを決めるイベントです。第26回は2025年9月19日に高知市のホテルで開かれ、21都道府県の57河川から計約2,290匹が集まり、アユ漁の関係者と一般参加者ら約280人が審査にあたりました。参加者は配られた審査用紙に3段階で評価を記入します。
審査の5項目と、二段階の選抜
審査は姿・香り・わた・身・総合の5つの要素に対して「優・良・可」の3段階で行われるとされます。「わた」は内臓のことで、鮎は成長すると川の石に付着した珪藻類・藍藻類を主食にするため、腹の中身はその川の石にあったものに近くなります。過去の大会を報じた高知新聞の見出しも「姿・香り・身・わた吟味」と、このうち4つを並べています。
選抜には順序があります。各河川の鮎は、まず一般参加者の各テーブルで審査され、そこで選出された鮎は準グランプリ以上が確定します。その後、最終審査員によって再度審査され、グランプリが決まります。
評価されるのは「川」であること
この方式で特徴的なのは、賞が出品者ではなく河川に与えられる点です。歴代のグランプリ河川には和良川(岐阜・4度)、宇佐川(山口)、安田川(高知)、朱太川(北海道)、千種川と揖保川(兵庫)、雫石川(岩手)、神通川(富山)、物部川(高知)、長良川(岐阜)、振草川(愛知)などがあり、北海道から山口まで分布しています。第26回のグランプリは岐阜県飛騨市の高原川で、出品したのは同市の「もんじろう商店」でした。もっとも、実際に出品して焼くのは店や漁協なので、同じ川の鮎でも焼き手が変われば皿は変わります。
補足:開催日・参加河川数・審査方法・料金は回によって異なり、主催者の発表で変更されることがある。審査5項目と歴代グランプリ河川の一覧はWikipediaの記載にもとづく。関連語:プライドフィッシュ、うちの郷土料理。