ふるさと住民登録制度。
ふるさと住民登録制度(furusato-jumin-toroku)とは、実際に居住していなくても、特定地域の「ふるさと住民」として登録できる、総務省が設計を進める仕組み。
「移住」という高いハードルの手前で地域と関わる人、いわゆる関係人口を、制度としてすくい上げようとする新しい枠組みです。これまで自治体が独自に取り組んできた登録の試みを、国レベルの仕組みへ引き上げようとする点に特徴があります。
ねらい
東京圏への一極集中を和らげ、地方への人の流れと地域内の経済循環をつくることが基本的なねらいです。登録した人が継続的に地域を訪れたり、寄付・消費・オンラインでの協力などを通じて関わり続けることで、担い手不足に悩む地域の下支えになると期待されています。移住を最終ゴールとせず、多様な関わり方を許容する設計思想がうかがえます。出身地に限らず、学びや仕事、旅を通じて縁ができた地域とも結べる余地を持たせる方向で検討が進むとされます。
現状(2026年8月時点)
登録の形は固まりました。総務省のガイドライン(Ver.1.0・2026年3月27日)と公式サイト「ふるさと住民登録制度ナビ」(同年7月24日公開)によると、区分は関わりの深さで2つに分かれます。要件なしで誰でも登録できるベーシック登録と、「年3回以上の担い手活動への参加」と「マイナンバーカードを用いた本人確認」を要件とするプレミアム登録(3地域まで)です。プレミアム登録者には交通費・宿泊費の補助や公共施設の住民並み利用といったサポート施策が想定され、年間滞在日数10日以上を基本として自治体が定める要件を満たした長期滞在者は、その旨を登録証に記載できます。登録したこと自体の見返りとして物品を渡すこと(特産品や全国共通商品券の抽選提供など)は禁じられています。
モデル事業は都道府県と市町村の連携モデル7道県、個別市町村モデル21市町村の計28団体で進行中。制度開始は2026年度中、ふるさと住民アプリ(仮称)は年度末リリース予定とされています。運用の細部は実証を経て変わりうるため、確定した事実として扱えるのはここまでです。
補足:島根県海士町などの「ふるさと住民票」が発想の下敷き。※2026年7月18日の初出時、本ページは登録区分を「担い手向け/観光向けの2区分案」と記していましたが、確定した区分はベーシック/プレミアムでした(2026年8月7日訂正)。最新は総務省の公表資料など一次情報で確認を。