用語辞典 — ツギノテ。LOCALGLOSSARY

地場産品基準

地場産品基準とは、ふるさと納税(地方税法上の指定制度)の対象自治体として指定を受けるための条件のひとつで、返礼品がその自治体の区域内のものといえるかを判定するルール。地方税法第37条の2第2項第3号および第314条の7第2項第3号に基づき総務大臣が定めるもので、実体は平成31年総務省告示第179号の第五条に置かれている。

第五条は、返礼品として認められる類型を号で並べる作りになっています。区域内で生産されたもの、区域内で製造・加工等の工程を行ったもの、自治体の広報目的で作られたキャラクターグッズやオリジナルグッズなど、性質の違う入口が用意されており、そのいずれかに該当すれば地場産品として扱われます。区域外で採れた材料を持ち込んで加工した品をどこまで自分のまちの産品と呼べるかは、このうち製造・加工型の号の書き方で決まります。

令和8年10月から「価値の過半」になる

令和7年6月24日に公布された総務省告示第220号は、この第五条第三号を書き替えました。改正前は「区域内において返礼品等の製造、加工その他の工程のうち主要な部分を行うことにより相応の付加価値が生じているもの」でしたが、改正後は「区域内において製造等を行うことにより当該返礼品等の価値の過半が生じているもの」となり、さらに次の2つが要件として加わりました。ひとつは、価値の過半が区域内で生じている旨の証明が、総務大臣の定めるところにより、当該返礼品等の製造等を行う者によってなされていること。もうひとつは、自治体が寄附金の募集を開始する日までに、その証明の内容を公表することです。附則により、第五条の規定は令和8年10月1日以後に開始する期間に係る指定について適用され、同日前に開始した期間に係る指定は従前の例によります。

「相応の」は読む人によって幅が出る語で、「過半」は半分より多いと数で決まる語です。総務省自治税務局市町村税課の概要資料は、改正前の課題として、付加価値の算出方法が地方団体により様々であるために「同じ製品等について複数の団体が自らの地場産品と主張できる」状態にあったこと、真に区域内で付加価値の過半が生じている地場産品か疑義のある事例があったことを挙げ、付加価値割合の算出方法については価格に基づく算出を原則とするとしています。証明を書く主体が自治体ではなく作り手側である点も、改正で明確になった部分です。

調達費用と、ご当地グッズの扱い

同じ概要資料には、疑義のある算出方法の例として数字入りの図が置かれています。海外から6万円で輸入した米国産の高級ワインを倉庫等で保管し、保管で6万円の付加価値が生じたとして返礼品には12万円で納品する一方、一般顧客には8万円で販売しているという並びです。これを受けて、付加価値基準に基づく返礼品については、価値の過半が区域内で生じたことの証明に加えて一般販売価格も証明書に記載し、その内容を公表することとされました。あわせて「合理的な理由なく、一般販売価格より高額で調達することがないようにすること」を別途通知する予定と記されています。

自治体のキャラクターグッズ・オリジナルグッズを扱う第五条第五号も改正されました。改正前は、形状・名称その他の特徴からその自治体の独自の返礼品であることが明白であればよいとされていましたが、改正後はこれに3つの条件が加わります。指定対象期間の初日の属する年の前年の10月1日からその翌年の9月30日までの間に、自治体が広報の目的で自ら調達し配布又は販売を行った実績があること(返礼品等の提供によるものを除く)。指定対象期間においても、広報の目的で自ら調達し配布又は販売を行う計画を定めていること。そして、指定対象期間に返礼品等として提供する数量が、その実績の数量を超えないこと。令和8年10月1日に始まる期間で読むと、実績を数える窓は令和7年10月1日から令和8年9月30日までにあたります。

補足:返礼品の調達費を寄附額の3割以下に収める基準(返礼品基準)や、募集の総費用を5割以下に収める募集適正基準は、地場産品基準とは別の号に置かれた別々の条件である。号の全体像や証明の様式など運用の細目は、総務大臣の定めおよび通知の側で具体化されるため、実務では告示の新旧対照表とその年度の通知にあたるのが確実。