事前着手届出制度。
事前着手届出制度とは、補助金は交付決定後に事業へ着手するのが原則であるところ、事業の必要性・緊急性に鑑み、事前着手届出書を提出して受理通知を受けた場合には、受理通知の発出日以降かつ当該年度の政府当初予算が成立した日以降に発生した経費についても補助対象経費として認められる場合がある仕組み。
国の補助事業では、交付決定通知の前に行った発注・契約・支出(発注先への内示を含む)は補助対象になりません。年度の前半に交付決定が出る事業では、この原則のままだと、夏の繁忙期に間に合わせたい工事や、季節の決まった実証運行に着手できないことがあります。届出制度は、その時間差を埋めるために置かれた例外です。
受理は「採択」ではない
届出が受理されても、計画の採択や補助金の交付を約束するものではありません。審査の結果として不採択となった場合、それまでに支出した費用は全額自己負担になります。また、受理日より前に発注等を行った経費は対象外で、受理日以降であっても交付申請時の確認で対象外と判断される場合があります。補助金のルールに沿った手続き(入札、複数見積など)を経ていない経費も認められません。
使う場合の実務
公募では、通常の申請より早い締切が別に設定されるのが一般的です。観光庁の令和8年度「オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の面的受入環境整備促進事業」の二次公募では、計画申請の締切が令和8年7月17日12時、事前着手届出制度を活用する場合の書類提出締切は同年7月8日12時とされ、様式1・様式2は暫定版での提出が認められる一方、届出を出した場合でも計画申請の締切までに確定版を提出して申請を完了させる必要があるとされていました。届出の受理の可否は事務局が決定し、受理通知書が送付されます。
補足:制度の呼び方・締切・対象となる経費の範囲は事業ごとに異なる。活用を検討する場合は、当該事業の公募要領と交付規程で確認すること(2026年8月時点)。