社会増減。
社会増減(net migration)とは、転入者数から転出者数を差し引いた人口の増減。出生と死亡による自然増減と分けて数えるため、移住施策や雇用の動きが表れやすい指標として自治体で使われる。
人口の増減は、原因の異なる2つの流れに分解できます。ひとつは出生者数と死亡者数の差である自然増減、もうひとつが転入と転出の差である社会増減です。総務省の住民基本台帳に基づく人口調査は、この2つを分けて集計しており、市区町村ごとの数値が毎年7月末に公表されます。
合計だけを見ると打ち手を誤る
同じ「1年で300人減」でも、内訳が自然減280人・社会減20人の団体と、自然減50人・社会減250人の団体では、意味がまったく違います。前者は年齢構成の帰結で、移住相談の窓口を厚くしても短期では動きにくい数字です。後者は転出が主因なので、住まい・就業・通学のどこで人が出ているのかを先に確かめる余地があります。移住施策の成果を検証するときに社会増減だけを取り出すのは、自然減の分まで施策の失敗として背負い込まないための作法でもあります。
「増えた」の中身も分けて読む
社会増減は、日本人住民と外国人住民でも大きく傾向が分かれます。令和8年1月1日現在の調査では、日本人住民が社会増となった都道府県は東京都・大阪府・神奈川県・千葉県・埼玉県・福岡県・愛知県の7団体にとどまった一方、外国人住民は47都道府県すべてで社会増でした。総計の欄だけを追うと、日本人住民の社会減が外国人住民の社会増で埋められ、横ばいに見える団体が生じます。
補足:住民基本台帳の社会増減には、転入・転出の届出のほか、職権記載や職権消除といった手続きによる増減も含まれる。国勢調査の人口移動とは集計の考え方が異なるため、両者の数値をそのまま突き合わせないほうがよい。