用語辞典 — ツギノテ。LOCALGLOSSARY

宿泊税

宿泊税(shukuhakuzei)とは、ホテル・旅館・簡易宿所・民泊などの宿泊者に課す地方税。使いみちを観光振興などに限定した「法定外目的税」として、総務大臣の同意を得て自治体が条例で新設する。

地方税法には全国共通の税目のほかに、自治体が独自につくれる税の仕組みがあります。そのうち、使いみちをあらかじめ特定の目的に限るものが法定外目的税で、宿泊税はその代表例です。2002年に東京都が導入して以降、京都市・大阪府・金沢市などへ広がり、インバウンド増加とオーバーツーリズム対応を背景に、2026年は導入自治体が2025年末の17から約50へ急増する見通しと報じられています。2026年7月1日には熊本市と宮崎市で1人1泊200円の課税が始まりました。

仕組み

納税するのは宿泊者ですが、集めるのは宿泊施設です。施設が宿泊料金と一緒に税を預かり、まとめて自治体に申告・納入する「特別徴収」が基本で、施設側は事前に特別徴収義務者としての登録・申請を求められます。税額は1泊あたり定額のものが多い一方、宿泊料金に応じた段階制や定率制を採る自治体もあり、同じ「宿泊税」でも設計は一つではありません。無料の宿泊を非課税とするなど、免除の範囲も条例ごとに異なります。

論点

財源としては、観光客の増加で生じる負担(混雑対策・ごみ処理・多言語対応など)を観光の受益者に求められる点が利点とされます。一方で、レジや宿泊管理システムの改修といった徴収の実務コストは施設側に発生します。また定額制は素泊まりにも高級旅館にも同額がかかる逆進性を持ち、課税の統一的な「原則」がないまま拡大している、という指摘も報じられています。税額・方式・免除は改定されうるため、旅行者も事業者も最新の条例情報の確認が必要です。

補足:導入自治体数・税額は2026年7月時点の報道・公表資料に基づく。県と市の双方が課税する地域では併課の調整が行われる場合がある。