地域別最低賃金。
地域別最低賃金(chiikibetsu-saitei-chingin)とは、最低賃金法に基づき都道府県ごとに定められる賃金の下限。産業や職種を問わず、その県で働くすべての労働者と使用者に適用される。
金額は全国で一律ではなく、47の都道府県ごとに1つずつ定められています。使用者はこの額以上の賃金を支払う必要があり、時給だけでなく月給や日給で働く場合も、時間あたりに換算してこの額を下回ることはできません。
「目安」から始まる、二段構えの決め方
改定は毎年夏に動きます。まず厚生労働大臣の諮問を受けた中央最低賃金審議会が、引き上げ額の「目安」を答申します。目安は都道府県の経済実態に応じて全都道府県をA・B・Cの3ランクに分けて示され、令和8年度はAランク(埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・大阪の6都府県)が54円、Bランク(28道府県)とCランク(13県)が56円でした。
目安はそのまま決定になるわけではありません。各都道府県に置かれた地方最低賃金審議会が、目安を参考にしつつ地域の賃金実態調査や参考人の意見を踏まえて審議し、答申を出します。最終的に金額を決定するのは各都道府県労働局長です。目安と違う額を答申することもでき、令和8年度は宮城が目安を4円上回る60円の引き上げ(1,098円)を、三重が目安どおり56円の引き上げ(1,143円)を、いずれも8月5日に答申しています。
発効日も県ごとに決まる
改定後の額が効力を持つ日(発効日)も県ごとに決まります。10月1日前後が多いものの一斉ではなく、たとえば宮城の令和7年度の発効日は10月4日でした。答申のあとには異議申出の公示などの手続きが残っており、それを経て正式に決定されるため、額も発効日も答申の段階では「予定」にあたります。
補足:仮に令和8年度の目安どおりに全県で引き上げが行われた場合の全国加重平均は1,176円(上昇額55円・4.9%)と試算されている(厚生労働省・2026年7月28日発表)。昨年度の上昇額は66円・6.3%だった。このほか、特定の産業について地域別最低賃金より高い額を定める「特定(産業別)最低賃金」が別に存在する。