土用干し。
土用干し(どようぼし)とは、塩漬けにした梅を夏の土用のころに三日三晩ほど天日に干す、梅干しづくりの仕上げ工程のことです。農林水産省の「農産物漬物の日本農林規格」では、梅干は「梅漬けを干したもの」と定義されており、この干す工程を経てはじめて「梅干」と呼ばれます。
「土用」は立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前の約18日間を指しますが、梅の土用干しで使われるのは夏の土用です。2026年の夏の土用は7月20日から8月6日にあたります。梅雨が明けて晴天が続きやすい時期であることが、この時期に干す実際的な理由とされています。
昼と夜、それぞれの役割
日中の日光には、実に残った余分な水分を飛ばして保存性を高める働きと、紫外線と熱による殺菌の働きがあります。一方、多くのつくり手が夜もざるを外に置いたままにするのは、夜露に役割があるためです。日中に水分が抜けると梅の表面に塩が白い結晶となって浮き出てきますが、それを夜露が溶かしてふたたび実へ戻していく。この往復によって皮と果肉がやわらかくなっていくと説明されています。
「三日三晩」は目安であって決まりではない
三日三晩という数え方は古くからの目安で、梅の大きさ・天候・湿度によって加減されます。また、衛生面や虫、突然の雨を避けて夜は取り込むという流儀も広く行われており、夜露に当てるかどうかは家や産地によって考え方が分かれます。干し上がった梅は、梅酢に戻す・そのまま容器に詰めるなど、これも仕上げ方が分かれます。
補足:土用の期間は年により異なる。干し方・日数・夜露の扱いは地域や家庭の流儀によって差があり、ここに記した内容は一般的な説明にもとづく。関連語:委託販売。