米麹。
米麹(kome-kouji)とは、蒸した米に麹菌(アスペルギルス・オリゼー)を繁殖させたものです。麹菌がつくり出す酵素が米のでんぷんを分解して糖に変えるため、砂糖を加えなくても自然な甘みが生まれます。味噌・醤油・日本酒・みりん・甘酒など、日本の発酵食品の多くが米麹を土台にしています。
米に麹菌を植えて数十時間かけて育てる作業は「製麹(せいきく)」と呼ばれ、温度と湿度を細かく見ながら進めます。できあがった米麹には、でんぷんを分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するプロテアーゼなど多くの酵素が含まれ、これが原料を甘く・うま味豊かに変えていきます。麹菌は日本の発酵文化に欠かせないことから「国菌」とも呼ばれます。
甘酒には二種類ある
同じ「甘酒」でも、米と米麹だけを発酵させてつくる米麹甘酒と、日本酒を搾った後の酒粕を溶いてつくる酒粕甘酒があります。米麹甘酒は麹の酵素が生むブドウ糖で甘く、ほぼノンアルコールで砂糖不使用の商品が多いのが特徴です。酒粕甘酒は微量のアルコールを含み、甘みづけに砂糖を加えることが多く、こくのある味わいになります。
夏の飲み物だった甘酒
甘酒は俳諧では夏の季語で、冷房も冷蔵庫もなかった江戸時代には、夏の暑気払いとして甘酒売りが町を歩いて売っていたと伝えられます。麹の甘酒はアミノ酸やブドウ糖を含み、砂糖の乏しかった時代の手軽な甘味・栄養源でもありました。「飲む点滴」という呼び方は俗称で、糖分を含むため飲みすぎには注意が必要です。
補足:甘酒や麹製品の原料・アルコールや砂糖の有無・栄養成分・保存方法は商品ごとに異なる。健康効果には個人差があり、糖分を含む。購入時はラベル表示と各店・公式情報で確認したい。