オーバーツーリズム。
オーバーツーリズム(overtourism)とは、観光客の集中が、地域の環境・住民生活・観光体験に過度な負荷を与えている状態。
国内外で人気の高い観光地を中心に、混雑や観光客のマナー、住民の暮らしへの影響が社会的な問題として語られるようになりました。観光を「増やせば良いもの」とだけとらえてきた発想の見直しを迫る言葉でもあります。
影響
具体的には、交通渋滞や公共交通の混雑、ごみや騒音の増加、静けさや生活道路が損なわれる住民生活の圧迫、宿泊費や地価の上昇などが挙げられます。さらに、混みすぎることで観光客自身の満足度が下がり、観光体験そのものの質が低下するという皮肉な結果も生じます。地域の環境・住民・来訪者の三方に負荷が及ぶのが特徴です。とりわけ生活の場と観光の場が重なる地域では、通勤や買い物といった日常の動線まで観光の波に巻き込まれ、住民が「自分のまちなのに落ち着けない」と感じる事態も起こります。負荷が特定の季節や時間帯、特定のスポットに偏りやすい点も、対応を難しくする要因です。
対策
対策としては、入場制限や事前予約制、時間帯や場所を散らす分散化、料金設定による需要の調整、そして何より地元住民との合意形成などが試みられています。根底にあるのは、「来訪者数をとにかく増やす」段階から、「訪れ方の質を管理し、地域と観光を両立させる」段階への発想の転換です。あわせて、観光で得た収益を混雑対策や環境保全、住民サービスへ還元し、負担と便益の釣り合いをとる視点も欠かせません。
補足:交流人口の増加が必ずしも地域の利益と一致しない例のひとつ。関連語に交流人口。