特定居住促進計画。
特定居住促進計画(tokutei-kyoju-sokushin-keikaku)とは、二地域居住を促すために市町村が作る計画。「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律」(令和6年5月15日成立・同年11月1日施行)で創設された。都道府県が二地域居住に係る事項を内容に含む広域的地域活性化基盤整備計画を作成したときに、市町村が作成できる。
法律の条文では、二地域居住は「特定居住」と呼ばれます。都市と地方など2か所に生活拠点を持つ暮らし方のことで、計画の名前にある「特定居住」もこれを指します。国土交通省の資料では「二地域居住促進法」「改正広活法」といった略称も使われますが、計画の正式な名称は特定居住促進計画です。
書く内容と、作れる条件
国土交通省の説明によれば、計画には区域、地域における二地域居住に関する基本的な方針(地域の方針、求める二地域居住者像等)、二地域居住に係る拠点施設の整備に関する事項、二地域居住者の利便性向上や就業機会創出に資する施設の整備に関する事項などを記載します。方針は住民の意見を取り入れたうえで公表し、地域と二地域居住者を適切にマッチングさせる、という建て付けです。計画に定められた事業には法律上の特例が置かれ、住居専用地域において二地域居住者向けのコワーキングスペースを開設しやすくする、といった措置がとられます。
読み落としやすいのが作成の条件です。市町村が単独で決められるわけではなく、都道府県が先に広域的地域活性化基盤整備計画を作り、そこに二地域居住に係る事項を含めていることが前提になります。市町村の側からは、二地域居住に係る拠点施設と重点地区を計画の内容に含めるよう都道府県へ提案することができます。
数と、ぶら下がる支援
国土交通省が令和8年2月に公表した資料では、目標(KPI)は施行後5年間で累計600件。令和7年12月31日時点で国土交通省が把握している作成数は28件で、都道府県計画は20計画です。同資料に実名で載る28市町村を都道府県別に数えると19道府県で、いずれも都道府県計画を作った20の中に含まれています。
計画は書類だけで終わらない形になっており、複数省庁の予算がこれに紐づいています。令和8年度当初予算案では、特定居住促進計画区域内でのコワーキングスペース等の整備に対する個別補助(令和6年度創設)、計画に位置づけられた基盤整備の概略設計等を重点的に支援する官民連携基盤整備推進調査費などが並びます。農林水産省・経済産業省・内閣府の交付金にも、計画への位置づけを要件や重点化の条件とするものがあります。
補足:関連する仕組みに、市町村長がNPO法人や民間企業を指定する「特定居住支援法人」(資料では二地域居住等支援法人とも表記)と、市町村が組織できる「特定居住促進協議会」(同じく二地域居住等促進協議会)がある。法人の指定は市町村長が行うもので、資料には計画の作成を前提とする記述は置かれていない。作成数・指定数はいずれも国土交通省の把握分で、その後に増減している可能性がある。