追熟。
追熟(ついじゅく)とは、収穫後の果実が時間の経過とともに食感や香りなどを変化させ、完熟の状態へ近づいていくことです。桃は完熟する少し前の状態で収穫・出荷されることが多く(完熟果は輸送中に傷みやすいため)、店で買った時点ではまだ果肉が硬い場合があります。
誤解されやすいのは、置いておけば甘くなる、という部分です。JAフルーツ山梨は、追熟させたほうが甘く感じるようになるものの糖度そのものが大きく上がるわけではなく、主に変わるのは果肉のやわらかさと果汁量だと説明しています。追熟に必要な期間の目安は収穫後1〜5日で、購入時点の熟度・品種・収穫時期によって変わります。
色では追えない
農研機構の報告によると、果実の地色を決めるクロロフィルは未熟な果実に多く、収穫適期に近づくにつれて急速に減り、消費者の手元に届く段階ではほとんど含有量に変化が見られないことが多いとされます。このためクロロフィル量は樹上での未熟・適熟判定には適しても、収穫後の食べ頃評価には適しません。代わりに研究で指標に選ばれたのは、果肉の軟化に伴って増える水溶性ペクチンでした(960nmと810nmの吸光度差を用いる非破壊指標)。
やり方と、品種による差
追熟は常温で行い、直射日光とエアコンの風を避け、1個ずつ紙で包んで重ねずに置く。冷蔵庫に入れると追熟は遅くなり、長く入れると香りや食感が落ちるとされます。食べ頃のサインは、お尻の緑が抜けてクリーム色になること、最後に熟すヘタ周りがやわらかくなること、香りが漂うこと。冷やすのは食べる1〜2時間前だけが目安です。なお、まどか・なつっこ・おどろきのように熟しても果肉がしっかりしている品種があり、硬いことが必ずしも未熟を意味しません。
補足:追熟の日数・方法は品種・収穫時期・保存環境によって異なる。ここに記した内容はJAフルーツ山梨の説明(2026年7月27日)と農研機構の報告にもとづく。関連語:土用干し。