用語辞典 — ツギノテ。LOCALGLOSSARY

予措

予措(よそ)とは、収穫した柑橘を貯蔵する前に日陰で干し、果実の水分をわずかに抜いておく下準備の工程のことです。JA全農とくしまは、徳島の「冷蔵すだち(10〜3月)」について、露地すだちを「予措」と呼ばれる陰干しの後に冷蔵したものと説明しており、酸味は比較的穏やかになるとしています。

読み方は「よそ」。字面のとおり「あらかじめ措(お)く」という意味で、貯蔵そのものではなく、貯蔵に入る前の段取りを指します。収穫直後の果実は水分を多く含んだ状態にあり、そのまま冷蔵庫へ入れると、貯蔵中に傷みや障害が出やすくなるとされます。日陰でしばらく置いて余分な水分を落ち着かせてから冷やす、という順番です。

すだちの「3つの作型」を支える工程

徳島県のすだちは、ハウスすだち(3〜8月)、露地すだち(8〜10月)、冷蔵すだち(10〜3月)の組み合わせで年間を通じて出荷されています。木から穫れる時期そのものは限られているため、秋以降の半年ぶんは、露地で穫ったものを予措して冷蔵した在庫が担うことになります。予措は、この周年出荷の設計を成り立たせている工程です。

GIの管理対象にも入っている

地理的表示(GI)に登録された「徳島すだち」では、生産の方法として品種・栽培方法・貯蔵・出荷規格の4点が定められており、このうち貯蔵については「収穫後、貯蔵する場合は、徳島県が推奨する貯蔵方法に基づき管理する」とされています。JA全農とくしまは、GIとして出荷する生産者に対し、各作型の出荷前に「栽培・貯蔵管理調査票」の提出を求めています。予措を含む貯蔵の扱いは、産地の慣習であると同時に、記録の対象でもあります。

補足:予措の日数・場所・温湿度の条件は、品目や産地、その年の天候によって異なる。ここに記した内容は、JA全農とくしまおよび農林水産省のGI登録公示・明細書にもとづく一般的な説明である。関連語:土用干し