交通空白。
交通空白(transport gap area)とは、日常生活や観光に必要な移動の足がない、または利用しづらい地域を指す国土交通省の用語。地理的な距離だけで判定せず、市区町村が挙げた「困りごと」を基準に数える。
国土交通省は2024年7月に国土交通大臣を本部長とする「交通空白」解消本部を設置し、2025年から全国の市区町村を対象にリストアップ調査を続けています。「地域の足」(住民の生活交通)と「観光の足」(二次交通)の二本立てで数えるのが特徴です。
距離では測らない
この言葉のわかりにくさは、駅やバス停からの距離で機械的に線を引かないところにあります。調査が示す考え方は「誰もがアクセスできる移動の足がない又は利用しづらいなど地域交通に係るお困りごとを抱える地域」で、「必ずしも、地理的、空間的な『交通空白』に限らない」と明記されています。鉄道駅から500m圏内でも列車の本数が極端に少なければ該当し、バス停から300m圏内でも坂が多くタクシーの配車も待たされる団地なら該当します。予約が前日までに限られるオンデマンド交通のエリアも、朝夕に配車されなければ挙げられます。
数の増減の読み方
2026年の調査では、何らかの対応が必要な「交通空白」地区は2,740地区で、前年より683地区増えました。増加分には、バス路線の減便・廃止による新規発生と、市区町村が地域公共交通計画の策定・見直しで域内を精査した結果はじめて把握された分の両方が含まれます。国土交通省自身が、リストアップした地区数が多い市区町村を取組の遅れた市区町村と捉えるべきではないと注意を添えています。数が課題の深刻さではなく、把握の精度を映すためです。
補足:いま空白ではないが放置すれば空白化する地域は「要モニタリング地区」として別に数える。2026年の調査では1,498地区で前年より134地区減った。